最終更新日 2024年11月18日 by unratt
トラックなどの貨物の運送事業者やバス・タクシーといった事業者には、貨物自動車運送事業法・貨物自動車運送事業輸送安全規則や旅客自動車運送事業運輸規則により点呼を行うことが義務付けられています。
通常、この点呼は運行事業者と運転者が対面して行う必要がありますが、Gマークを取得した安全性優良事業所などの一定の条件を満たしていれば、国土交通省が定めているIT機器を使った点呼が認められています。
このようなIT機器を使った点呼はIT点呼と呼ばれており、パソコン・ネットワークシステム・アルコール検知器などの機器を使用して遠隔での点呼を行うことが可能です。
人件費の削減
また、IT点呼には様々なメリットがありますが、まず挙げられるのは人件費の削減につながることです。
IT点呼を利用した場合、運転者が営業所に行く必要がなくなるので、全ての営業所に運航管理者を配置する必要もなくなります。
加えて、従来は長距離輸送といった早朝や深夜に点呼を行う必要があるケースでは、運航管理者に残業代を支払ったり、補助者を補充したりする必要がありました。
しかし、ITでの点呼を導入すれば、早朝や深夜における点呼は24時間体制で運営している本社に任せることが可能となるため、残業代などの人件費の削減が可能です。
また、運航管理者の残業も減らせるので働き方改革の推進にもつながります。
点呼記録を簡単に作成できる
さらに、点呼記録を簡単に作成できるのもメリットのひとつです。
従来、点呼記録は手書きで作成していましたが、ITでの点呼はシステム化されており簡単な操作のみで点呼記録を作成できるため、点呼記録作成の手間を大幅に削減することができます。
そして、作成した点呼記録はクラウド上に保存できるため、書類の保管場所を確保する必要がなくなるとともに、書類の紛失を心配する必要もありません。
導入費用がかかる
一方で、IT点呼は導入費用がかかるというデメリットがあります。
ITでの点呼には国土交通省が指定したIT機器を使用する必要があるため、その購入費用を確保する必要がありますし、毎月のシステム利用料を支払う必要もあります。
そのため、費用対効果がどの程度なのかを十分に検討した上で導入するようにしましょう。
なお、IT機器の導入には補助金を利用することも可能です。
IT点呼の補助金は、事故防止対策支援推進事業と安全装置等導入促進助成事業によって提供されているので、これらの補助金も積極的に活用することをおすすめします。