プロパンガスの料金体系と都市ガスとの違い

最終更新日 2024年11月18日 by unratt

「プロパンガスと都市ガスの料金の違いが知りたい」
「プロパンガスのメリットは何?」
「プロパンガス会社の料金を安くする方法ってあるの?」

プロパンガスの料金体系は各社が自由に設定できることから、地域によって差が生じます。
例えば競合が多い地域だと競争が生まれて価格が安くなる可能性がありますが、競合が少なく実質的に1社が独占している地域だと、競争が起こらず価格の低下にも期待できないわけです。
都市ガスは2017年に契約の自由化が行われましたが、プロパンガスはそれよりも前から消費者がガス会社を選ぶことができました。

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都市ガスよりも総じて高い価格の傾向が見られる

料金を自由に設定できるということは、安さに期待することが可能だと考えられますが、現実には都市ガスよりも総じて高い価格の傾向が見られます。
理由はやはりガスの供給に要するコストが掛かること、そして自由に価格競争ができるはずが、競争は殆ど起こらず高止まりしてきたことにあります。
コストというのは導管網を通してガスを供給できる都市ガスに対し、プロパンガスはガスボンベを車両に乗せて運び、人の手で降ろして交換する作業が必要になることが大きいです。
重量のあるガスボンベを扱うわけですから、機械任せとはいきませんし、ガスボンベを設置する場所によっては、かなり手前で車を降りてボンベを降ろして運ぶ必要が出てきます。
このように、物理的にガスボンベを運ばなければいけないこと、その為の人件費が掛かることがコストの増加と料金に直結しています。

熱量に着目するとその差は2倍以上

都市ガスとの比較では、実に20%ほど高いという数字もあります。
ただし熱量に着目するとその差は2倍以上ですから、熱量あたりの単価の意味では決して法外に高いとはいえないです。
都市ガスは導管網というインフラを通してガスが供給されますが、整備されているのは都市部のみで、国土でいえば約6%程度と非常に限られます。
つまり都市ガスが利用できるエリアは小さく、多くがプロパンガスを利用している状況です。
しかし、世帯数でいえばほぼ半々ですから、都市ガスが利用できない世帯が極端に少ないわけではないでしょう。
実際のところ、東京や大阪といった人口密度が高い都市部での普及率は高く、地方ほど普及率が低くて高い料金のガスしか選べない傾向です。
都市ガスと比較して高いと気がついても、泣き寝入りをする必要はありませんし、むしろ価格設定が自由なことを上手く活用すれば安くできるはずです。

多くの人はガス会社との契約を見直さない

そもそも競争といえる競争が起こらず、目に見えて価格が下がらなかったのは、消費者にも責任があると考えられます。
消費者が適正と思われる価格のガス会社を選び契約すれば、高い価格設定のガス会社は価格を下げざるを得ず、そこに価格競争が起こることになります。
ところが多くの人はガス会社との契約を見直さず、価格が高くてもそれに気がつかず長年そのままということが珍しくありませんでした。
電力も自由化して契約できる会社が自由に選べるようになったわけなので、ガスも自分で情報を集めて比較を行い、安い会社のプランを選択して契約するのが望ましいです。
とはいえ、1社が独占している地域は選択肢がなくてお手上げですから、本格的に引越しを考える必要がありそうです。
導管網のようにコストが掛かるインフラを導入できるのは、大手のガス会社くらいなものなので、中小企業が参入できず、人的コストが高いプロパンガス事業に流れるのは当然です。

中小企業を選んで契約しようとすると高めの料金が提示される

この為、中小企業を選んで契約しようとすると高めの料金が提示されるのは避けられず、大幅な安さに期待するのは難しいことが分かります。
都市ガスに乗り換えるのが一番確実で手っ取り早い方法ですが、導管網が整備されておらず供給が受けられない地域ではどうしようもないです。
消費者にできることがあるとすれば、料金が安い地域に引越しをするか、オール電化を導入してガスから電気にシフトすることです。
前者は導管網がある地域を選んで引越しできますし、後者はコストが掛かるものの、太陽光発電システムや蓄電池と一緒に導入すれば、災害時の停電にも備えられるようになります。
いずれにしても、コストを掛けずに安くするのは難しく、安くしようとすればコストを負担する必要があります。

火力が強くて強火による短時間の調理に向いているメリットは見逃せない

価格にばかり注目が集まるプロパンガスですが、火力が強くて強火による短時間の調理に向いているメリットは見逃せないポイントです。
これは火力が料理のできの良し悪しを左右する飲食店にとって、単価が高くても選択する大きな理由になっています。
供給がガスボンベを建物に運び交換する形なので、万が一災害が発生しても供給が止まりにくく、供給が停止しても復旧が早いというメリットがあります。
過去の災害による事例では、都市ガスだと復旧までに約1ヶ月を要したところ3日ほどで普及したケースが存在します。
冬にガスが使えないと凍えてしまうような地域もあるわけですから、数日で再びガスが使えるようになるメリットは思いの外大きいといえます。

まとめ

流石に数日では復旧に至っていないケースもありますが、それでも1ヶ月を要しているケースは殆どないことから、ガスボンベによる供給の強みが見えてきます。